実家の玄関ドアはノブを回して開けるタイプのドアで、かなり古くなっており開ける時にギョイーーンという音がしていた。
油を差しても無駄だったのでドアごと買い換えたんだが、そうしたら本当に快適で、いかに『ギョイーーン』がストレスになっていたかという事が分かったわ。
そしてドアを換えてから2週間ほど経ったある日、家族そろって夕飯を食べ始めようとした時に『ギョイーーン』という音がした。
その時のお袋の真っ青な顔は多分一生忘れないわ。
お袋は「誰っ!?」と言った後に、ハッと気付いて「なんで?この間ドア換えたじゃないのっ」と叫んだ。
俺もかなりの恐怖を感じた。
そうしたら親父が実に言いにくそうに「…今の音、俺の腹の音だわ、ごめん…」と言った。
お袋は泣き笑いみたいな複雑な顔をしていたし、俺も反応に困ったわ。一応笑ったが。
とにかく、親父の腹の音をドアの音と勘違いしてしまった事には衝撃を受けたな。