冬休みも終わり、東京へ帰る彼女を新大阪まで見送りに行った。
実は見送りではなく、俺は同じ新幹線に乗っていて東京駅で彼女を驚かせようと思っていた。
ところが東京駅では見ず知らずの男が彼女を迎えに来ていた。
頭が真っ白になって逃げたくなったが、無言で彼女の肩を後ろから叩いた。
振り返った彼女は意外と冷静で「何してるの?」と言い放った。
俺は正直何をしているのかわからなくなっていて何も言い返せなかった。
すると見ず知らずの男が、「○○さんの彼氏ですよね?僕たまたま近く寄ったので荷物持ちするって押しかけただけです」と弁解をしだした。
俺はアホなので、そうだったのか~と納得しかけた。
その瞬間に彼女が「この人は東京の浮気相手や!彼氏も浮気相手もどっちも本気ちゃう。面倒臭いからどっちも縁切る!」と携帯を自らへし折りスタスタと立ち去った。
残された男2人ポカーン。追いかけたけれど、冷たく睨まれて心が折れて諦めた。
その後、浮気相手に事情を聞く。
俺の前ではブリッコだった彼女が、浮気相手の前ではオラオラ系だった事が判明。
2人ともおかしなテンションになり居酒屋へ行き、意気投合してしまう。
そしてあれから5年以上経ち彼女は消息不明だが、彼と俺はいまだに連絡をとり仲良くしている。
彼とは当時の彼女の話をすることもあるが、余りにも潔かったので恨みとかはなくて、すごく可愛かったよなぁーと言い合ってる。
男ってバカだなぁと感じる。
修羅場というか、今となっては笑い話だな。
ちょうど事件があったのが今の時期だったので。