私の友達はグレーゾーンのアスペルガーの診断を受けてた
多少空気の読めないところはあったけど、どちらかというとアスペルガーの傾向は集中力と思い込みと言う名のコダワリの傾向に出ていた
小学校の後半から知っているけど、当時は一言で言えば正義厨ってくらい融通がきかなかった
社交辞令が通じないから、それが原因で中学高校と理解してくれる数人しか友達ができなかったそうだ
私が知ってるのは高校の一年くらいまでで、そこからは疎遠になっていたんだけど、一昨年数軒隣に住む従兄弟が中学にあがった際、同時に通いだした学習塾にその友達が働いていることが判明した
従兄弟によると「とってもゆるゆるな先生でいろんなことを話しやすい」先生だそうで、何でもきっちりこなさないと気が済まない私の知ってる友達像とえらく違っていた
友達は反抗期の生徒からも信頼があつくて、特にすごく怖がられてた不良っぽい三年生の先輩が友達の前では可愛くなるらしい
すごく興味が湧いて他にも話を聞いたら、一度従兄弟が動画を撮ってきてくれたんだけど、例の不良っぽい先輩とやらが「マジ○○と○○ウゼーわぁ、あいつらの授業だけふける。なぁお前ら、今度の模試あいつらの科目だけ間違えまくって評価さげてやろうぜ」と悪ぶって集まっていたところ、そこに授業の準備をしていた友達が通りかかり「あ、センセー、俺、古文わからんねんけど、何かさぁ、俺でもできる簡単なのない?」とすごく素直に質問
「古文は昔の文章やからなぁ、教材用の簡単なの、みたいな狙ったやつ無いねん。なるべくわかりやすい文章探してみるわ」
「まじ?ありがと〜、助かるわ〜(鼻歌歌いながら取り巻きと退場)」
なんだこの態度の違い!?
従兄弟によると、これでも先輩たちは夏ぐらいまでは友達にもすごく反抗していたらしい
他にも無口な生徒も友達の前では結構よく喋ったりするそうだ
それで一昨日、雪が降った際に従兄弟を車で迎えに行った時、塾の前で見送っている友達を発見
仕事終わりで迎え待ちの生徒を見送ってるだけとのことなので少し話してきた
友達によると、自学生のころ、あまりにも融通が効かなすぎて周りをイライラさせている自覚はあったらしい
好きでイライラさせているわけではないので、とても辛く、どうして周りをイライラさせてしまうのかを毎日毎日真剣に思い悩んでいたらしい
その時「私の話を真剣に聞いて欲しかった!」という強い気持ちがあったことを自覚
反抗期の子供を見ると当時の自分と重なり、あぁ単に真剣に見てくれる人が欲しいんだ、反抗期の子ほど強く何かを伝えてるんだと思ったらしい
それから一生懸命何かを伝えてくる(反抗してくる)子供が可愛くて仕方ないと言っていた
帰り際に子供から「先生今度一緒にパズドラやろな!」「俺、モンハンクロス買ったから先生追い抜くし」「先生今度漫画持ってくるから読んでみてよ」と声をかけられていた
「私、この仕事天職じゃないかと思ってるよ」と友達は笑ってた
私なんかまだチャランポランなのに、同じ20代で自分のハンデを克服して天職まで見つけて才能発揮してる友達を本気で尊敬してる
イイハナシダナー