朝から頭が痛いって言ってたんだ。まさかそれが最後の会話になるなんて思ってなかった。
娘の泣き声を聞いた隣の奥さんが見つけてくれた時には、すでに息してなかった。
3ヶ月の息子を抱いたまま倒れたみたいで、息子を庇うように後ろ向きで倒れたようだと。
そのせいで致命的だったらしいけど、おかげで息子は無傷だった。
毎日泣いた。
今でも泣く日がある。
でも今日4歳になったばかりの娘が初めて、パンにハムとレタスをはさんで俺にくれた。
「ママみたいでしょ」って渡してくれた。
娘はまだ小さいから嫁のこと忘れてしまうんだろうと思ってたけど、娘は娘なりに嫁の記憶があるんだな。もう少し大きくなったら、娘と息子にアルバム見せながら嫁のこと話してやるつもりだ。
娘が産まれてから嫁自身の写真は少ないが、これはママが撮ったんだよと、どれだけ二人を大切に思ってたか話してやる。
あの日からもうすぐ一年。
あの時君の腕の中に収まっていた小さな息子は毎日歩き回って追いかけるのに一苦労なくらい元気だ。
あの時泣いていた娘はお米をとげるようになった。
君のぶかぶかなエプロンをつけているよ。
君に早く会いたいが、孫に会うまで待っててほしい。どれほど可愛い孫か、君に話してやりたいから。
駄文すまん。仕事前に吐き出したかった。
顔洗って仕事してくる。